B’s・行善寺
立派な建物の中には、たくさんの人がいて、子どもたちや若い人もいれば、お年寄りもいます。さまざまな役割を持つ施設が、別々の場所に区切られているのではなく、重なって存在しているというか、同じ場所を共有しながらそれぞれの機能を提供している感じです。
温泉やお蕎麦などを提供する食堂が中心のようですが、真ん中には庭があり、そこでは子どもたちが遊んでいました。
食堂とお風呂の間には駄菓子や野菜などちょっとしたものが販売されているコーナーがあります。
説明を受けた会議室のような場所も、ガラス張りで外から見えるようになっていて、途中で利用者と思われる若い人が入ってきて挨拶すると、テーブルに置いてあったほかの人のお茶をさっと取り上げて一口飲み、残りをばしゃっと床にぶちまけてしまいました。
説明してくださった施設長の速水さんが、「すみません、後で片づけますので、気にしないでください」とおっしゃったので、ああ、利用者さんかな、と思いましたが、その人はそのまま部屋を出て行ってしまい、説明はそのまま続けられました。
いろんな人がそれほど広くない一つの場所を共有し、それぞれの日常を過ごす様子はとても生き生きしていて、速水さんは小さなもめごとはたくさんあるとおっしゃっていましたが、それをその都度解決していくことも、それぞれの人たちの経験値を上げることにつながっているのだろうなと思いました。
前日に伺った「かがやき」は地域に出て行って関わっていく形、ここ「B’s・行善寺」は地域の中にあって人を呼び込む形。いずれもバラバラになりかかっている地域や人々の暮らしをどう再生していくか、試行錯誤する中で出てきた取組なのだろうと思います。
行政によるさまざまな法や制度の枠組みを利用しつつ、自治体が行う地域活性化の取組とはまた違う形で行われている民間によるチャレンジを、行政はどのように受入れ、活かしていくべきか、行政の役割とは何か、という根本的な部分を含め、問い直していく必要があると感じました。
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