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2020年9月 1日 (火)

「精神0」上映会

足利市出身の映画作家、想田和弘さんの最新作「精神0」の上映会に行ってきました。

https://www.seishin0.com/

20200901-132238

「精神0」は、精神科医 山本昌知さんが82歳にして引退を決意し、妻芳子さんとともに過ごす時間を丁寧に追ったドキュメンタリー作品です。
心の病とともに生きる人々を描いた前作「精神」は見ていないのですが、この作品の前半で、引退を間近にした山本さんに患者さんたちが向ける表情からは、山本さんがどれほど頼りにされているかが伝わってきます。
診察が終わると、山本さんは待っていた妻の芳子さんとともに家に帰ります。芳子さんは優しい笑顔で山本さんを追いますが、ときどき、自分が何をしたらいいのか、途方に暮れたような表情をします。
合間に差しはさまれる過去の映像と、家に帰った山本さんの家事に慣れていない様子から、かつての芳子さんがてきぱきと働く有能な女性だったこと、山本さんが自らの仕事に安心して打ち込めるようにずっと支えてきただろうことが浮き彫りになります。
おそらくは認知症を患っていると思われる芳子さんを連れて、ときどきふり返って手を貸しながらも先へ進んでいく山本さんと、どうしたらいいかわからないとまどいの中でもその山本さんを追っていく芳子さん、一生懸命に何かを手伝おうとする芳子さんの姿が胸にせまります。
それとともに強く感じたのは、映画の作り手の存在です。相手の日常に分け入って記録し、そこから感じたものを、映像の取捨選択と差しはさむ象徴的な映像との組合せで描いていく。そこには、あくまで優しく、人に対する愛情にあふれたまなざしがありました。
コロナ過で、今現在はなかなかできていませんが、地域を訪問すると多くの人に出会い、その日常を垣間見る機会があります。わたしの中にはそうして出会ったたくさんの日常の風景があって、それらが組み合わさって生まれる思いが議会活動の基盤となっています。わたしの中の映像は、わたしの記憶の中にしか存在しないので、ほかの人に見せることができませんが、こうして映像として記録し、構成することで多くの人と共有できるということは、なんと大きな力なのだろうと感じました。
上映終了後のトークで、想田監督とプロデューサーの柏木規与子さんから、制作時の思いや、非常事態宣言真っ最中の公開となり、劇場での上映ができなかったこと、映画と劇場を存続させるための試みをしていただいたことなどを伺えたことも良かったです。
上映会を主催してくださった市民のみなさん、貴重な機会をありがとうございました!

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