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2013年2月17日 (日)

緩和ケアの現状と展望

太田市尾島行政センターで開催された、第5回がん診療連携拠点病院講演会「緩和ケアの現状と展望」を聞きに行ってきました。

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この講演会は、群馬県立がんセンターの主催で行われ、西群馬病院の斎藤龍生院長による「群馬県の緩和ケアの現状、そして緩和ケアを考える」、京都府立医科大学付属病院疼痛緩和医療部の細川豊史部長による「本邦における、緩和ケアの現状とその将来」と題する講演のあと、高崎市で緩和ケア診療所「いっぽ」を運営する小笠原医師による話題提供があり、その後群馬大学医学部付属病院の斎藤繁教授の司会により、がんセンターの猿木院長、2名の講師、小笠原医師によるシンポジウムが行われました。

群馬県で初めて緩和ケア病棟を開設した西群馬病院の斎藤先生からは、告知の問題が取り上げられ、告知を行うことで患者さんにとっても家族にとってもいい影響が多いこと、本人が自分の病状を正確に認識していることで、緩和ケアの治療もより効果が高まることなどの話がありました。

また、細川先生からは、痛みを放置したり我慢したりしないで初期の段階から痛みの治療に取り組むことで患者さんのQOLだけでなく病状にもいい影響があること、逆に放置することでより痛みが増し、ストレスがかかって病状の悪化につながることなどの説明がありました。

「いっぽ」の小笠原先生からは、自宅で過ごしたいと願う末期のがん患者さんたちの願いをどうかなえるかということについて、具体的な事例を交え、お話しいただきました。

昨年のちょうど今頃亡くなったみどり市の蓮たかみち議員は、最後はずっとお世話になっていた病院で亡くなりましたが、やはり自宅に帰りたいと言っていました。亡くなる前の年末年始は一時的に退院し、地域のお医者さんや訪問看護師さんのお世話になってしばらくすごすことができましたが、自宅で最後まで過ごすには、地域の在宅医療の体制にまだまだ限界があるのも事実です。

入院していた病院の緩和ケアチームのみなさんにも本当にお世話になり、支えていただいていましたが、痛みは我慢するものだという考えは、彼の中にも自然に存在していたようです。また、緩和ケア病棟に対しては、そこに入ることは生きることをあきらめることにつながるのではないかといった不安もあったように思います。

こういった緩和ケアに対する誤解は、まだまだ日本の社会には根強く残っており、そのことが苦痛の緩和にとりくむ妨げになっているように感じます。

細川先生は、かつて日本が軍国主義の教育を行っていたころに、我慢する子は強い子、よい子だと教えていたことが残っていて、わたしたちが小さいころから転んでけがをしたときなどに泣かないで我慢するとえらいね、と褒められるというようなことが積み重なってこういう状況をつくりだしているのだと話していらっしゃいましたが、その通りではないかと思います。

がんにかぎらず、我慢しないほうがいい痛みや苦しみを、無意識のうちに我慢して飲み込んでしまうことで、その原因を放置してしまうことにつながることはよくあるような気がします。

緩和ケアに対する正しい理解が広がり、一人でも多くの人が無用の痛みや苦しみから救われるように、まだまだやるべきことがあると改めて感じました。

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