新井町見聞記
この本の制作は以前から星野くんが念願としていたもので、その構想をわたしも何度か聞かせてもらったことがあります。ようやくその本が出来上がったということは、本当に素晴らしいことで、さっそく読ませていただきました。
A4判、230ページにわたる膨大な記述は、著者の未来のひ孫「碧次郎」にあてて書かれたという形式をとっています。しかし、現実には本には直接登場しないこの「碧次郎」こそが、血のつながりのあるなしにかかわらず多くの祖父母から新井町の記憶を聞きとっていった著者自身の姿なのではないかという気がしました。
一ページ一ページ、一行一行、一文字一文字ににじみ出る著者の「新井町」というふるさとへの想いが、そこに住んでいない者にとってさえ懐かしさを感じさせる、まさに「おくりもの」というにふさわしい本だと思います。時の流れとともに記憶のかなたに追いやられていってしまうのが常である地域の歴史をこうして愛情をこめてまとめてくれる人を得た新井町は、幸運な町というべきでしょう。
残念ながら市販はされていないということですが、興味のある方はぜひお問い合わせください。
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