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2008年3月16日 (日)

シッコ SiCKO

太田医師会主催の映画シッコ(SiCKO)上映会に参加させて頂いてきました。この映画については、以前から話題になっていて是非みたいと思っていました。華氏911という作品などを作ったマイケル・ムーア氏の監督作品です。

シッコは初めに医療保険に入っていないため、治療費が高額で払えないからと自分で針と糸を使って傷口を縫う男性や、やはり医療保険に入っていないため、工具で作業中に誤って中指と薬指を切り落としてしまった男性が、指の縫合手術のメニューと治療費を提示され、薬指だけを縫合する選択をしたという話から始まります。

ある夫婦は三人の子どもたちを育て上げた後、心臓病を患い、その治療費の支払いのため家屋敷を手放さざるを得なくなり娘のうちの物置に住まなければならなくなります。医療保険に入っていてもいざ治療を受けるときは保険会社にその治療を受けることについて了解をとらなければなりません。

ある女性は交通事故で意識不明の状態に陥って救急車で病院に運ばれましたが、回復したあと保険金を請求しようとすると事前の許可を受けていなかったという理由で支払いを拒まれます。
本人も忘れていたような軽い病歴、しかもすでに完治しているものを契約時に申告しなかったという理由で支払いを拒まれた人もいます。

また、必要な治療を申請すればすんなりと医療をけられる訳でさえなく、必要ないとか、効果がはっきりしないとか、実験的な治療だとか様々な理由で断られることも多いのです。
ある女性は夫が白血病であることがわかり非常に衝撃を受けます。しかし、彼の末の弟の骨髄が適合することがわかり、これで助かったと二人で喜び合いました。
ところが保険会社からきた通知は、手術は実験的なもので認められないとのものでした。夫は余命3ヶ月を宣告され失意のうちに亡くなったと女性は涙ながらに訴えました。

医療を受けられた幸運な人もいます。ある若いシングルマザーは子どもが病気になると橋を渡って川一つ隔てたカナダへ行きます。そして、カナダ人の友人の内縁の妻だということで無料で病院にかかることができるのです。

ムーア監督はなぜアメリカでできないことがカナダでは可能なのか話を聞くため、カナダ人の親戚をアメリカに呼ぼうとしますが、親戚は保険に入らない限りアメリカへは行かないといいます。もしもアメリカにいるときにケガでもしたら大変だからというのです。

ムーア監督はなぜ自分がけがをしたわけでもないときに、人の医療費を払って平気なのかと聞きますが、カナダの親戚に、「困ったときはお互い様だ」とさらっと答えられ、困惑します。カナダでは誰もが治療費の心配なく医療を受けられるのです。

現在日本では、皆保険制度が整備されていますが医療費の増大を押さえるため、後期高齢者医療制度の導入や、医療費適正化計画の策定、療養病床の廃止など、利用者のみならず医療を提供する側からも多くの問題点が指摘されている制度が導入されようとしています。また、保険料が払えず保険証を取り上げられてしまうなどの事例も問題となっています。

シッコの中でも、治療費が払えない患者をタクシーに乗せて貧民街に送り込み道端に放置する場面がありました。日本でもそういうことが起こらないように、社会としてもっとも優先すべきことはなにか、もう一度よく考えてみる必要があるとつくづく感じました。

みなさんもぜひこの映画をご覧になってみてください。

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コメント

 映画を観ているような、鮮烈な感覚で読了しました。
 私自身が高令者であり、医療サービス・制度の後退に怒りたい思いですので。
 

投稿: 永井羊一 | 2008年3月16日 (日) 20時21分

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