« 猪口邦子講演会 | トップページ | 新田木崎町 »

2007年2月28日 (水)

野口健講演会

太田青年会議所主催のアルピニスト・野口健さんの講演会が市民会館で開かれ、聞きに行ってきました。

20070226_1915

紹介を受け、登場した野口さんは、CMや写真などで見て想像していたイメージより小さい方でした。わたしもときどき、「ポスターで見て思っていたより小さいんですね」といわれることがあります。写真や映像のイメージは、拡大されていたりすることもあり、本人よりも大きく、しっかりした感じになりやすいのかもしれません。

野口さんのお話は、決して流暢な語り口ではなく、むしろとつとつとした話し方ですが、ついつい先を知りたくて聞き入ってしまうのでした。

野口さんはいまでこそ環境問題への熱心な取り組みで有名ですが、決してはじめから環境問題に関心を持っていたわけではなく、これまで18年間の登山生活の中で、前半10年間はまったくそういった活動をしていなかったそうです。けれども初めてエベレスト登山に参加したときに他国の登山家たちが自分の出したごみを持ち帰ったり、ごくわずかの休憩の間にごみ拾いをしたりしていることにショックを受け、「みんながやろうというときにはっきりNOといえない日本人的な性格のため」ついつい一緒にやることになってしまったのだそうです。

ユーモアを交えた野口さんのお話に、会場からは笑い声がもれ、けれども極限の状態にさらされる登山の様子に深く感銘を受けているようでした。

初めてエベレスト登山に成功した25歳のとき、帰り道ですぐそばを一緒に歩いていた23歳の登山隊の人が、隣り合わせの死の恐怖に耐えられず、自らロープをはずし、谷底へ落ちていってしまったそうです。

けれども、そのことを悲しいとかショックを受けたりするゆとりすらそのときにはなくて、ようやく悲しいと思うことができたのは、下山して安全なところについてからだったそうです。

そんなにまでしてなぜ登山をするのだろう、という疑問は当然わいてくるわけですが、それは生きるということそのものにつながる問いなのかもしれません。生きることは、本来はたぶん登山と同じように苦しくつらく、つねに死と隣り合わせのものなのではないでしょうか。わたしたちはふだんそれを意識することはあまりありませんが、考えてみれば事故や災害に巻き込まれたり、病気になったり、そうでなくてもいつかは必ず死が訪れるものです。

なぜ登山をするのだろう、なぜ生きるのだろう。その問いに対する答えは一人ひとりちがうのだろうと思います。わたしはいつか死が訪れたときに、振り返って後悔しない人生をおくりたいと思っています。

たぶん野口さんにとって、山に登ることは生きることそのものなのだろうな、とそんなことを思いながら会場を後にしました。

|

« 猪口邦子講演会 | トップページ | 新田木崎町 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 野口健講演会:

« 猪口邦子講演会 | トップページ | 新田木崎町 »